概要

ソルバーは、格子、計算条件などに基づいて河川シミュレーションを実行し、計算結果を出力するプログラムです。

iRIC 上で動作するソルバーを開発するには、表 1 に示すようなファイルを作成、配置する必要があります。

表 1 に示したファイルは iRIC インストール先の下の "private\solvers" フォルダの下に 自分が開発するソルバー専用のフォルダを作成し、その下に配置します。

表 1 ソルバー関連ファイル一覧

ファイル名

説明

definition.xml

ソルバー定義ファイル。英語で記述する。

solver.exe (例)

ソルバーの実行モジュール。ファイル名はソルバー開発者が任意に選べる。

translation_ja_JP.ts など

ソルバー定義ファイルの辞書ファイル。

README

ソルバーの説明ファイル

LICENSE

ソルバーのライセンス情報ファイル

各ファイルの概要は以下の通りです。

definition.xml

ソルバーに関する以下の情報を定義するファイルです。

  • 基本情報

  • 計算条件

  • 格子属性

iRICはソルバー定義ファイルを読み込むことで、そのソルバーに必要な計算条件、格子を作成するための インターフェースを提供し、そのソルバー用の計算データファイルを生成します。ソルバー定義ファイルは、 すべて英語で記述します。

ソルバー

河川シミュレーションを実行するプログラムです。iRICで作成した計算条件と格子を読みこんで計算を行い、 結果を出力します。

計算条件、格子、結果の入出力には、iRICが生成する計算データファイルを使用します。ただし、 計算データファイルで入出力を行えないデータについては、任意の外部ファイルを入出力に使うこともできます。

FORTRAN, Python, C言語、C++言語のいずれかの言語で開発します。この章では、 FORTRAN で開発する例を説明します。

translation_ja_JP.ts など

ソルバー定義ファイルで用いられている文字列のうち、ダイアログ上などに表示される文字列を翻訳して 表示するための辞書ファイルです。日本語 (translation_ja_JP.ts)、韓国語 (translation_ka_KR.ts) など言語ごとに別ファイルとして作成します。

README

ソルバーに関する説明を記述するテキストファイルです。iRIC で新しいプロジェクトを開始する時にソルバー を選択する画面で、説明欄に表示されます。

LICENSE

ソルバーのライセンスについて記述するテキストファイルです。iRICで 新しいプロジェクトを開始する時に ソルバーを選択する画面で、ライセンス欄に表示されます。

iRIC、ソルバー、関連ファイルの関係を 図 1 に示します。

../_images/files_related_to_solver.png

図 1 iRIC、ソルバー、関連ファイルの関係図

この章では、この節で説明した各ファイルを作成する手順を順番に説明します。